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『ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方』のイメージイラスト(実際の表紙ではありません)

正しさを積み上げた仕事人は、気づかないうちに化け物になる。

イラストはイメージです(実際の表紙とは異なります)

ビジネス・仕事術

ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方

上出遼平 ・ Kindle版

ドキュメンタリー仕事術働き方倫理
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ひとことで言うとテレビディレクター・上出遼平さんの仕事論(徳間書店、2024年2月)。前半は欲望の整理や睡眠、「世界は私に興味を持っていない」から始める企画術。後半は制作日誌の形をした物語で、「正義」を掲げる作り手が加害者になっていく過程を描き、成功の先に幸福はあるかを問います。

INTROどんな本か

仕事術の本は、だいたい肝心なところが伏せてある。

これは俺の意見じゃなく、この本の著者の見立てです。第一人者の本は、肝心なことを伏せるか、当たり前だけど真似できないことを書くか、そのどちらかになる。だから著者は、仕事術本の依頼をずっと断ってきた。

著者は上出遼平さん。『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(Netflix配信)の企画から撮影・編集まで担ったテレビディレクター・プロデューサーで、2022年6月にテレビ東京を退社しています。徳間書店、2024年2月刊。帯には「世の仕事術は嘘ばかりでは」。

その人があえて書いた一冊は、二段構えです。第一部は、実践的な仕事論。第二部は、配信ドキュメンタリー『死の肖像』の制作日誌の形をとった物語で、冒頭に「これはフィクション」とある。前半で語られた考え方が、後半で試される。「正義」を掲げる語り手が、自覚のないまま加害者になっていく。

俺がこの本でいちばん重いと思うのは、第一部の終わりに置かれた問いです。その仕事は結局、誰のためになされるべきなのか。

2021年の連載で、俺は「手段が目的化しちゃってる」のが一番失敗する例だ、と書いた。この本は、その失敗がいちばん極端な形で起きるとどうなるかを、物語で見せてくる。

もう一つ。2026年の「46歳の思考整理」で、論理思考の最大の罠は「正しさの追求」が「支配の欲求」に変わることだ、と書いた。第二部の語り手は、まさにその坂を下っていく。正しさを積み上げるほど、自分を疑えなくなる。これは個人の性格の話じゃない。正しさが積み上がっていく構造の話です。

効くのは、成果を出して人を動かす立場にいる人。数字が出ているときほど、自分の判断を疑うきっかけが要る人。仕事術本の「当たり前だけど真似できない話」に飽きた人にも。

ただし、第二部は死やALS、嘱託殺人、誹謗中傷を正面から扱います。軽く勧める本ではない。

読み終えて手に残るのは、手法じゃない。問いです。その正義は、誰を守っているのか。

CHAPTERS章ごとの中身

はじめに仕事術の依頼を断ってきた理由

「仕事術の依頼を断ってきた理由」のイメージイラスト

著者は、仕事術本の依頼をこれまで断ってきたそうです。理由ははっきりしていて、第一人者の本は、肝心なことを伏せるか、当たり前だけど真似できないことを書くか、そのどちらかになるから。競争のただ中にいる人が、手の内を明かすはずがない。

じゃあ本来の論点は何か。「成功の先に幸せはあるか」だ、と著者は言います。画一的な成功像を押しつける本は、安心を売る怪しい商売と大差ない。それでも書くのは「不都合な事実」を伝えるためで、帯の「世の仕事術は嘘ばかりでは」はここから来ている。

構成は二部。第一部は、仕事との向き合い方、会社に依存しない振る舞い、マス・コミュニケーションとドキュメンタリーの考え方。第二部は、進行中の企画を制作日誌の形で描いたもので、冒頭に「これはフィクション」という注記が置かれます。

この二部の落差が、この本の仕掛けです。前半を仕事術として受け取り、後半でその仕事術ごと揺さぶられる。俺は、この順番どおりに読むのがいちばん効くと思う。

総論競争から降りて、ズルをせず、まず寝る

「競争から降りて、ズルをせず、まず寝る」のイメージイラスト

総論の出発点は、かなり冷めています。ビジネスは限られたパイの奪い合いで、勝ち続けることはほぼ不可能。目的のない成長は、中身のない筋肉と同じだ、と。成長しなければという強迫を相対化するために、ダーウィンが晩年に研究したミミズまで出てくる。

ただ、働くこと自体は否定しない。借り物の価値観を捨てて、自分の物差しで選ぶ。「働かざる者食うべからず」には反対で、競争の闘技場からは出られる、という立場です。暗い地下で背丈だけ伸びるウドになるな、という比喩もある。

そのための道具が「欲望の整理」。幸せの像を追いかけるより、自分の心が喜ぶ時を観察する。人の成長を見るのが好きなら教育や農業、勝つのが好きなら競争的な仕事が向く。成功像から仕事を選ぶんじゃなく、好みから仕事の型を逆算する。順序が逆なんです。

そして、この本は凡人向けだと宣言します。裏技はない。情報商材は、売り手が儲かる商品にすぎない。ここまで言い切られると、かえって信用できる。

ズルの話も具体的です。横領のように、一度うまくいくと快楽になってしまう。退屈な仕事を他人に回すような小さなズルも、周りはちゃんと見ていて、一度ついた評価は剥がれない。逆に、雑用を丁寧にこなす人には信頼が貯まり、チャンスが来る。無駄なものは存在しないし、自分でなくてもいいと思える役目ほど修行になる。成否を分けるのは才能より「忍耐力」だ、と。

心も筋肉のように鍛えられるが、負荷が過ぎれば壊れる。著者自身、入社半年で限界に達して、真夏に革ジャンと編集室のスリッパのまま京都へ逃げた、と書いています。だから次の話に説得力がある。不機嫌やミスの多くは寝不足が原因で、原因が分かっていれば、寝られない時期も乗り切れる(いわゆるレジリエンス)。

気合いの前に、まず寝る。俺は、総論でいちばん実用的なのはここだと思っています。

総論飲み会の控え方と、仕事は誰のためか

「飲み会の控え方と、仕事は誰のためか」のイメージイラスト

賛否が割れそうな主張から。同僚との飲みは、回復であって創造ではない。同じ視点を確かめ合う儀式になって、同じ発想しか生まない。式にすると、1×1=1。

交流そのものを否定しているわけではありません。どんな仕事にも創造性は要る、と『夜と霧』にも触れながら言う。飲むなら、異業種の人と、または一人で。著者自身、スナックで出会った人が、後に番組の仲間になったそうです。人が多く集まる場所が苦手で、異業種交流会にも行かないと書いてきた俺としては、「または一人で」が添えてあるのに少し救われる。

総論の最後は、仕事は結局誰のためになされるべきか、という問いです。テレビの「営業枠」は、スポンサー第一主義に陥りやすい。忖度を重ねた末に、誰も得をしない番組になる。電波は視聴者のために預けられたものなのに、と。

手段が目的化した極端な例として、米国のオピオイド危機に関わったパーデュー・ファーマが挙がります。和解は約9千億円。これを仕事術の言葉に直すと「コスパ重視なら善きことを」。ズルや嘘は長期的に損、の延長で、善いことをするのがいちばん割に合う、という逆説です。

規模はまるで違っても、構造は同じだと思う。目的を見失った仕事は、最後に誰も得をしない。俺が2021年に書いた「一番失敗する例」の、行き着く先がここです。

理想の社会は人それぞれだから、まず目の前の大切な人が幸せに暮らせる世界を目指す。この規模感が、第二部の「正義」の話であとから効いてきます。

各論誰も興味がない前提で、問いで引き留める

「誰も興味がない前提で、問いで引き留める」のイメージイラスト

各論の第一声は「世界は私に興味を持っていない」。YouTubeが伸びない原因は、自分の動画を面白いと思い込んでいることだ、という例で始まります。世界はあなたの商品にも社長にも興味がない。1分見てもらうことすら難しい。まずそこを認める。

入口は欲望です。局の先輩の深夜番組(終電を逃した人の家までついて行く企画)は、最初は露骨な企画で却下された。そこで自分の本当の欲望、つまり「誰でもない人の無防備な私生活」に絞り直す。住まいへの関心、哀れな人を見たい欲、驚きたい欲を重ねて、だらしなく見えた人の健気な事情で期待を裏切る構造にした。ニッチな欲望でも、共有する人がいればチャンスになる。これは商売全般の原点だ、と。

次が「他者の欲望を知りたい欲望」。行列が気になる心理、ランキング、有名人や再生数が人気を呼ぶ循環。ただし嘘はバレるから、まず対象の魅力を、作り手より深く理解する。社長紹介なら、社員アンケートの結果は、好かれても嫌われても見出しになる。

引き留める技術が「Q&A」。番組は問いと答えの入れ子で、問いを受けた視聴者は、答えを知るまで離れない。検証バラエティなら、説の検証と、スタジオの大物のコメントという二重の問いが働く。行列食パンも、ドキュメンタリーの副題も、スポーツの勝敗も同じ構造です。

最後が「前提知識共有幻想」。正月のバラエティで、過去に坊主にしたアイドルの話が分からず、父だけが取り残された例が出てくる。作り手が知っていることを、相手も知っていると思い込まない。感情を動かすには助走が要るから、24時間テレビのマラソンのゴールの涙にも、理由か、道中の過酷さの描写が要る。プロは自分を疑って、試写を重ねる。

企画書も会社の発信も、作り手はつい説明を飛ばす。俺は、各論でいちばん持ち帰る価値があるのはこの「前提知識共有幻想」だと思う。

各論ドキュメンタリーが求められる理由と撮り方

「ドキュメンタリーが求められる理由と撮り方」のイメージイラスト

独立後の最初の依頼は、海外で戦うファッションブランドから。以後、飲料、食品、繊維の会社からも声がかかる。娯楽の側が、ドキュメンタリーの手触りを求める逆転が起きている、という観察です。

背景にあるのは、ヤラセや捏造の発覚。許される境界が「リアル至上主義」に動いた。広告の嘘くささも見抜かれるから、企業は本当の言葉を求めている。

とはいえ「ありのまま」は撮れない、と著者は言い切ります。人は一人でも演じるから。そこで、セリフを書かず、言葉が自然に出る状況を作って反応を撮り、編集で物語にする。名づけて「ブリコラージュ制作法」。子どもの初めてのおつかいを追う番組が、Netflixで世界的な話題になった例が添えてあります。

カメラの位置の話もいい。先回りして撮る「受け」はフィクション向き、後ろから付いて行く「追い」がドキュメンタリー向き、自撮りという第三の手もある。英ドラマ『フリーバッグ』は、カメラに語りかける演出で既存の様式を壊した。群れをはぐれた者が新しい草原を見つけるように、「新しさ」そのものが娯楽になる。

リアルは、撮るものじゃない。起きる条件を整えるものだ。「ありのまま」を約束しないところから始めるこの整理は、作り手としてかなり誠実だと思う。

第二部院内感染と「誰のための謝罪か」

「院内感染と「誰のための謝罪か」」のイメージイラスト

第二部の語り手は、プロデューサー兼ディレクターのカミデ。2022年初頭、フリーになった直後に、グローバルな動画配信企業からシリーズを依頼される。予算は国内と桁違い。テーマは誰もが避ける「死」で、題名は『死の肖像』。死を遠ざける現代に死を取り戻し、良い死を通して良い生を考える、という企画です。

チームは4人。熊本の元不良で義理人情に厚い盟友のディレクター・ノムさん、アシスタントのハッシー、構成作家の津村さん。ハッシーは無戸籍で、母がDV夫と離婚できないまま産み、離婚後300日問題で出生届を出せなかった人物として描かれる(本文では無戸籍者は約1万人)。中卒で働いた後、テレビのADを見て業界へ。取材先と親しくなりすぎるほど優しい。

取材先探しは、テーマを先に決めてから取材先を探す、という珍しい順序で進む。2022年2月の会議で、終末期医療、救助隊、葬儀場、SNSの自殺志願者などをリスクと共に比べ、終末期施設に当たる。大半は「死」と聞くと断る中、約1か月後、大田区のひまわり医院の安田院長が直接返信をくれる。コロナ下で病床不足やトリアージの報道に揺れる患者には、外からの言葉が励ましになる。それが受け入れの理由でした。

撮影は、監視カメラの流用や職員による撮影を不可とし、ノムさんとハッシーの2人が1か月、24時間交代で担当。近くに部屋を借り、検査を徹底する。認知症の患者が定休日の和菓子屋に行きたがるたびに、院長は承知の上で連れて行く。行って確かめること自体が本人には大事、という姿勢が、静かに残ります。

取材3週目、院内でクラスターが起きる。ハッシーも感染するが、院長の提案で他院に移さず、院内で療養しながら撮影を続ける。感染した末期がん患者3人のうち、2人が亡くなる。ワイドショーの犯人探しで、院長は引責辞任。番組は国内の賞や海外ノミネートを得てシーズン2が決まるが、院長の名誉回復は間に合わなかった。成功と、取り返せない損失が、同時に起きている。

その後、ハッシーが、ウイルスを持ち込んだのは自分かもしれない、と告白する。直前に祖父を見舞い、その祖父はコロナで亡くなっていた。謝りたいという彼に、カミデは「誰のための謝罪か」を問う。証明できないこと。責任の認定と受け取られて、番組やハッシーの将来に響くこと。相手の優しさに頼って、自分が楽になるだけではないか。失われたものは戻らないと理解した上で、罪悪感と向き合え、と伝える。

謝罪も正義感も、いつのまにか自分のためのものに変わる。この問いは、第二部の最後まで形を変えて戻ってきます。

第二部ALSの青年を追い、呼吸器の選択まで

「ALSの青年を追い、呼吸器の選択まで」のイメージイラスト

シーズン2では、課題の整理が実務的です。海外での再生が伸びない原因を、①映像の技術品質(グローバル配信の厳格な機材基準)と、②題材の間口の狭さ(中身は普遍でも、入口が「日本の医療施設」)に分け、予算を増やして機材を一新する。成功のあとに、品質基準と入口の広さを別々に課題にする。この手つきは、仕事の教材としてそのまま使えます。

個人を追えば、人間の核に最短で届く。一方で、途中で人物に問題が出ると取り返しがつかない。その危険を承知で選んだのが、ALSの26歳・作家志望の伊野久人さん。随意筋が止まっても意識は明晰で、余命は5年程度、呼吸器で延命も可能という病です。

大雪の日に板橋の自宅を訪ね、一言で承諾を得る。誠実さが結局いちばん合理的だ、と語り手は言う。深夜、母が呼び出しベルの受信機を外している場面で、介護の限界が描かれる。父はコンビニのフランチャイズ経営に追われ、妹の舞さんは兄を避けている。

配信側は終わらせ方を求め、仮のゴールは伊野さんの27歳の誕生日に置かれる。夕食後に80年代パンクを一緒に聴き、荒川の花火に誘われて、二人だけで見る夜もある。カメラはあえて置いた。プロ失格と自覚しながら、撮らなかったことも一つの真実だ、と語り手は言います。

ALSでは、呼吸が尽きる前に、気管切開と人工呼吸器を選ぶかどうかの局面が来る。つければ長く生きられるが、外せない。本文によれば、装着するのは約3割で、7割は装着せずに亡くなる。伊野さんは、治療法を研究する人たちを信じたいとして装着を選び、母に感謝を伝えて、声を失う。

ここで制作論が挟まる。対象者だけでなく、周囲との関わりと周囲の語りを撮ると、作品に時間と空間の広がりが出る。母は息子が生を選ぶと疑わなかったと語り、その張り詰め方に語り手は不安を覚える。妹の舞さんはファミレスで、兄の外見の変化に苛立つ、なぜ良い人の兄が、と本音をこぼす。介護は回復か死でしか終わらない。家族もまた、閉ざされている。

そのあと、打ち上げの席で、語り手は元報道関係者から、お前のやっていることが好きではない、と告げられる。不幸な人を撮って食べているだけのハゲワシだ、と。俺もLIMITSについて「アーティストを食い物にしている」という言葉を投げられたことがあり、その違和感は今も覚えている、と連載に書いた。判断を引き受ける場は、外から見ると残酷に見える。ただ、この本が描くのはその先です。作り手が、自分の残酷さに気づけなくなっていく過程。

物語はここから、誰も予想しない方向へ進みます。中身はここには書かない。仕事術だと思って読み始めた人ほど、最後に問いを突きつけられる構成です。

LESSONS明日から使える教訓

  1. 発信は「誰も興味がない」から設計する題名や冒頭に問いを置いて、答えまで引っぱる。試写のように、第三者の目で何度でも確かめる。事業づくり的にいうと、中身を磨く前に、振り向いてもらう入口を設計しろということです。
  2. 飲み会より、異業種の人と睡眠同じ職場の飲みは、同じ発想しか生まない。接点は社外に増やし、睡眠を最優先にして、雑用は丁寧にこなして信頼を貯める。地味だけど、この本でいちばん再現性のある仕事術はこれだと思う。
  3. その正義が、誰を守っているかを問え大義を掲げて決めるときほど、その正義が誰を守り、誰を安全圏に置いているかを自分に聞く。成果が出ているときほど、指標が手段を正当化し始めていないか点検する。俺は、この問いこそがこの本の本体だと思っています。

CONCLUSION俺の結論

結論。成果が出ているときほど、自分の正しさを疑え。

明日やることは二つでいい。発信の冒頭に、相手が答えを知りたくなる問いを一つ置く。そして大きな判断の前に、その正義が誰を守り、誰を安全圏に置いているかを、一度だけ自分に聞く。数字や評価が積み上がっているときほど、この一手間を飛ばしやすい。

チームの誰かが違和感を口にしたら、覚悟がないと片づけない。止めてくれる人は、敵じゃない。正しさは、一人で抱えるほど暴走しやすい。仕事術の顔をしたこの本は、最後にその順番を突きつけてきます。

FOR YOUこんな人におすすめ

合わないかもしれない人:裏技やノウハウ集を期待する人。凡人向けで裏技はない、と本書自身が言い切っています。第二部は死や誹謗中傷を正面から扱うので、つらい内容が苦手な人は時期を選んでください。

FAQよくある質問

『ありえない仕事術』はどんな本ですか?

仕事術の体裁で、成功の先に幸福はあるかを問う本です。第一部は仕事との向き合い方、第二部は制作日誌の形をとった寓話的な物語で、冒頭に「これはフィクション」と注記されています。

著者の上出遼平さんはどんな人ですか?

テレビディレクター・プロデューサーです。『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(Netflix配信)の企画から撮影・編集までを担い、2022年6月にテレビ東京を退社しました。

なぜ著者は仕事術本の依頼を断ってきたのですか?

第一人者の本は、肝心なことを伏せるか、当たり前だけれど真似できないことを書くかのどちらかになる、と著者は考えているからです。そのため本書は、成功の先に幸福はあるかという不都合な問いを扱っています。

同僚との飲み会は役に立たないのですか?

本書は、同僚との飲みは回復であって創造ではない、と述べています。同じ視点を確かめ合うだけで、同じ発想しか生まないからです。飲むなら異業種の人と、または一人で、という提案です。

「世界は私に興味を持っていない」とはどういう意味ですか?

各論の出発点となる考え方で、誰も自分の発信に関心がない前提で設計する、という意味です。欲望で振り向かせ、問いと答えで引き留める手順が示されます。

「ブリコラージュ制作法」とは何ですか?

著者の命名で、セリフを書かず、言葉が自然に出る状況を設計して反応を撮り、編集で物語にする作り方です。「ありのまま」は撮れない、という前提から来ています。

第二部の『死の肖像』は実話ですか?

冒頭に「これはフィクション」と注記された物語です。番組名や登場人物が実在するかどうかは、本文からは判断できません。

第二部は何を描いていますか?

「正義」を掲げる制作者のカミデが、自覚のないまま加害者の側に回っていく危うさです。それにどう気づかされるのかは、物語の終盤で確かめてください。

仕事の現場では、どう生かせますか?

発信は誰も興味がない前提で作り、題名や冒頭に問いを置きます。大義を掲げて決めるときは、その正義が誰を守り、誰を安全圏に置くかを問います。部下が「謝りたい」と言ったときは、誰のための謝罪かを一緒に考えます。

つらい内容は含まれますか?

第二部には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者の死、嘱託殺人、誹謗中傷などを扱う場面があります。気持ちが沈むときは、読む順番や時期を選んでください。

MONOGENIC伊丹谷のブログから

ご注意:第二部には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者の死、嘱託殺人、誹謗中傷などを扱う場面があり、つらい内容を含みます。気持ちが沈むときは、身近な人や専門の相談窓口に話してみてください。物語中の番組名や人物が実在かどうかは、本文からは判断できません。

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