INTROどんな本か
「ちゃんと考えてから喋って」。言われたこと、ありますよね。
で、その「ちゃんと」の中身を教えてもらったこと、ありますか。たぶん、ない。言う側もたいてい、うまく説明できない。この本は、そこに正面から答えにいく一冊です。
著者は安達裕哉さん。デロイトトーマツコンサルティング出身で、コンサル12年と自社経営10年のあいだに、3000社・1万人と向き合ってきた人。なのに自称は「口下手なコンサルタント」。中高は成績最下位で、奨学金を返すためにコンサル会社に入った、と自分から明かしています。
原体験がしんどい。入社8か月目、帝国ホテルの会議室で、顧客の社長に「大丈夫?」と心配された。相談される側が相手を不安にさせたら、コンサルとしては終わりです。そこから信頼の取り戻し方を考え抜いたのが、この本の中身。
芯は一行で言えます。結果は、話す前に決まっている。人は1日に1万回ほど考えているという説があって、考えていない人はいない。差がつくのは量じゃなく質で、量を質に変える場所が「話す前」だ、と。
話し方の本なのに、気の利いた言い回しはほぼ出てこない。むしろ「話し方だけうまくなるな」と釘を刺してくる。いや話し方の本ちゃうんかい。笑 でも、ここがこの本の誠実なところです。
俺が「正解が早すぎる社会構造」で書いた話と、真ん中でつながっている。正論や助言そのものが悪いんじゃない。相手の頭が整理される前に届くから、人は守りに入る。この本が「アドバイスより交通整理」と言うのは、まさにその順番の話です。
もうひとつ。2021年に、学生にソフトのことを聞かれて正論で返したのを後悔した、という話を書いたことがある。あの学生は答えじゃなく、ワクワクを共有したかった。この本の言う「相手は自分に何を求めているか」を、聞く前に決めつけていたわけです。
効くのは、会議でつい言い返してしまう人、報告の仕方を型から組み直したい人、部下の相談にすぐ答えを出してしまう人。読み終えて変わるのは、口のうまさじゃない。口を開く前の数秒の使い方です。
頭のよさは、喋っている最中には決まらない。その手前で、もう決まっている。
CHAPTERS章ごとの中身
はじめに差は考えた量ではなく質で決まる

出発点は「ちゃんと考えて」の中身です。人は1日に1万回ほど考えているという説を引いて、考えていない人はいない、と言い切る。だから差は時間の量にはない。徹夜で粘っても、それだけでは「ちゃんと考えた」ことにならない。
若手のうちは、量の頑張りで評価されることもある。でも年齢とともに通用しなくなるし、量で測れる思考はAIに置き換わる。量は放っておいても質に変わってくれないので、どこかで意図的に変えるしかない。そのタイミングが「人に話す前」だ、という整理です。
たとえが87×18の筆算。やり方を習えば誰でも解けるけど、紙と鉛筆を出す手間を惜しむと、頭の中だけで無理をして間違える。考えて話すのも同じで、方法さえ知れば一生ものの技術になる。ただし、いったん立ち止まる手間だけは省けない。本書はこれを「立ち止まる勇気」と呼びます。
構成は二部立て。第1部が考え方の土台になる「7つの黄金法則」(マインド)、第2部が頭の使い方である「5つの思考法」(フォーム)。知って終わりにしないよう、穴埋めシートで習慣にする「プログラム」として組んである。読み返さなくていい本を目指した、というのも潔い。
その1腹が立ったら6秒黙って案を並べる

第1の法則は「とにかく反応するな」。入口がまさかの映画『アウトレイジ』です。全員悪人のヤクザ映画を2回観て、殺される人物の共通点は「感情的になる人」だと気づいた、と。冷静な者が生き残る。コンサルの本でこの入り方は、ちょっとずるい。
仕事の事例が刺さります。声の大きさに異常にこだわる役員が、小さい声の社員を叱ってやり直させていた。ある日、新人がひどく怒られたのを見かねたリーダーが、大声で役員を制止する。ところが社長は、役員をたしなめつつ、リーダーにも「冷静さを失う者には任せられない」と告げた。新人をかばっただけなのに、周りからは「あの人もキレる人」と見られて、評価を落とした。
動機が正しくても、キレた時点で負け。厳しいけど、構造としてはその通りだと思う。正しさは、キレた瞬間に誰にも届かなくなる。
根拠はサセックス大のサザーランド『不合理』。怒りや恐怖のような強い感情は、愚かな行動を招く。上司との口論の勢いで辞めて後悔した人を、著者は何人も見てきたそうです。
対策は2つ。すぐ口を開かないこと。そして、相手の反応を想定した案を複数並べて比べること。カーネマンでいえば、速い直感のシステム1から、遅い論理のシステム2へ切り替えるスイッチが「案を並べる」作業になる。先の事例なら、怒鳴り返す以外に、新人を別室へ一時避難させる、役員の注意を別の話題にそらす、という手があった。
しかも、案を考えているあいだに怒りが収まる。代案づくりは最適策探しであると同時に、「間」を稼ぐ手段でもあるわけです。目安は6秒。アンガーマネジメントでは理性が働くまで約6秒、前頭葉が本格的に働くまで3〜5秒、という説明も紹介されます。俺は2020年に、仏教の貪瞋痴を引いて、怒りはなくせないけど怒っている自分に早く気づくことはできる、と書いた。この本は、その「気づく」を6秒という手順に落としてくれています。
その2〜4頭のよさは他人が決め、論破はしない

第2の法則で、本書は頭のよさをこう定義します。周囲から頭がいいと認められている人。認める人が多いほど、本当に頭がいい。根拠はドラッカーで、知識ある者こそ理解される努力をすべきだ、伝達の主体は受け手だ、と。伝わらない案は、無いのと同じ。
頭のよさは、テストで測れて一人で完結する学校的知性と、他者の考えを読み、信頼を得て動かす社会的知性に分かれる。本書が磨くのは後者です。
第3の法則は「賢いふりをするな、賢くふるまえ」。賢いふりとは、「検討しましょう」の類の中身のない正論のこと。会議の例では、20代後半の若手が拙い広告コピー案を最初に出して批判されるけど、部門長はそれを評価した。議論が価格、ターゲット、営業の仕方へ広がって、施策がまとまったから。最初の案には勇気と勉強が要る。批判は誰でもできる。
信頼には段階がある、という整理も好きです。顧客の心情は「任せて大丈夫か」から「よく考えている」へ、そして「自分たちのために考えてくれている」へ。ここまで行って初めて長い関係になる。冒頭に出される問題、デート中の「青と白、どっちの服がいい?」の答えもここ。好みを即答せず、それぞれの気に入った点を聞き返して、相手が自分で納得して選べるようにする。
第4の法則が「論破しない」。標語は「人と闘うな、課題と闘え」。家具店の例がいい。引き出しの傷で激怒した客に、在庫はなく取り寄せに4日かかる。うまい社員は話を聞いて、本音が「翌日からの家族旅行の前にすっきりしたい」だと気づき、他店の展示品の引き出しに子ども向けのお菓子を添えて訪ねた。客は満足し、新品交換も要らなくなったそうです。
正論をぶつける癖は、俺自身が2020年のブログで「猛省してます」と書いたやつなので、ここは正直耳が痛い。テレビの論破は見世物で、仕事で真似すれば恨みを買うだけ。議論の奥にある想いを想像して話す。それが社会的知性だ、という締めには頷くしかないです。
その5〜7話術より、知識を相手のために使う

第5の法則は「話し方だけうまくなるな」。コピーライターの谷山雅計さんの「企画書だけうまくなるな」を引いて、型に当てはめても考えていなければ心は動かないし、質疑で底が割れる、と言います。
電通のコピー生成AI「AICO」が心をつかむ表現を生めなかった、という仲畑貴志さんの記事も出てくる。型通りの仕事は機械に置き換わる。著者自身、入社直後に上司から「うまく話す必要はない」と言われたそうです。口がうまいと賢いふりが簡単になって、かえって逆効果だから。
第6の法則は「知識が知性に変わるとき」。マーケティングに詳しいAさんが、顧客の前であえて知らないふりをして、質問だけで先方に新商品リリースの問題(差別化の説明があいまいなこと)を自力で気づかせた。腹落ちしない答えでは、人は動かないから。
カフェラテとカフェオレの違いは、うんちくとして披露すれば自慢、相手がカフェインを気にしたときに勧めれば活用。話す前に「これは相手のためか」と立ち止まる。その一拍が、自分を客観視することにもなる。
第7の法則は承認欲求。知識を披露したくなるのも承認欲求で、それを抑えて他者を満たせる人が強い。田中角栄は支持者に金を渡すとき、相手の自尊心を傷つけないよう秘書に頭を下げさせた、という話が出てきます。条件は、自信を持つことと、口でなく結果で有能さを示すこと。
社員の子の受験日を覚え、配偶者の誕生日に花を贈る経営者のように、小さな親切の口コミがカリスマをつくる。肩書きでは承認されない。人が人についていく理由は、だいたいこういう地味な積み重ねです。
第2部1章根拠・定義・成り立ちで浅さを消す

第2部の入口は、元インテルCEOのグローブの「何をしないかも同じくらい大事」。まず、バカに見える話し方をやめる。道具は客観視です。後輩が「年収アップには英語と会計?」と先輩に聞くけど、根拠はテレビだけ。仕事との関係も、「グローバル化」の意味も問われて答えられない。
話の浅さは、根拠の薄さ、言葉の定義の曖昧さ、成り立ちの無知、の3つから来る。逆にいえば、話題が地味でも掘り下げ次第で深くなる。
根拠の裏取りで出てくるのが、確証バイアス(都合のいい情報だけ集める)と後知恵バイアス(結果が出てから「最初から分かってた」と言う)。深めるコツは、自分と逆の意見も調べることと、統計を調べること。検索語に site:.go.jp や site:.ac.jp、「総研」を足せば、公的・学術データに近づける。最重要は当事者に聞く一次情報で、補助に国会図書館や日経テレコン。
定義の話がわかりやすい。「コミュニケーションを増やせ」は、対面だけなのかチャットも含むのかで行動がずれる。ゴミ出しを頼まれた夫が袋を運ぶだけで妻が不満、という例は、全国どこの家でも起きていそう。著者の会社では、「問題」は厄介な事象、「課題」は解決すべき問題と決めて、会議に辞書の携帯を義務づけていたそうです。
成り立ちでは、終身雇用を「もう古い」と切る前に、導入の経緯を知ろうという例が出ます。国立公文書館の資料では、戦前の熟練工の引き留め策が起点で、戦時中の国の命令を経て定期昇給や退職金が広まり、戦後の高度成長を支えた。調べ方のコツは、語源と、広まった地域。
定義を詰めるのは、面倒くさい人の趣味じゃない。ずれた仕事をやり直さないための保険だと思う。
第2部2章結論から話し、事実と意見を分ける

第2章は整理。わかりやすい話の源は話術じゃなく、話す前の理解だ、と。コンサルを小学生に「会社のお医者さん」と説明できるのは、本質をつかんでいるから。そして理解とは、分けられること。
結論から話せない人は多い。「まとめると」と言って長話をする営業。「結論から」と言われて調査方法から話すエンジニア(上司が知りたいのは採用可否なのに)。原因は、重要な情報と雑多な情報を分けられていないこと。
そこで本書は、結論を「相手が最も聞きたい話」と定義し直します。冒頭の一言は、相手の「聞くスイッチ」を入れる行為。言い訳や経過から話すのは、自分が話したい話。ぐうの音も出ない。
次が事実と意見。商談から戻った新人が「大丈夫だと思います」と答える。掘ると、その場では決まらず、先方は金額の交渉余地を気にしていた、と事実が小出しに出てくる。カーネマンが指摘する、難しい問いを無意識に易しい問いへすり替える脳の働きで、新人は「受注できそうか」を自分の気持ちの問いにすり替えたわけです。
整理はこう。事実は証明できる客観的な事柄、感想は証明できない主観、意見は感想に他人も納得できる根拠を足したもの。京都の冬が寒いと言うだけなら感想で、両方に5年住んだ経験や気候データを添えれば意見になる。著者は採用面接で、「がんばりました」と気持ちで答える人を不合格にしてきたそうです。
救いは、これが賢さより注意力の問題だと書いてあること。一拍おいて「これは証明できる事実か、自分の判断か」を確かめれば直せる。才能の話にしないところが、この本の優しさだと思う。
第2部3〜4章助言より交通整理、質問は5種類

第3章は傾聴。相槌やオウム返しの技法だけでは、聞いたふりにしかならない。聞くときの頭の中は2種類あって、自分の言いたいこと(反論、教えてやろう)を考えながら聞くか、相手の言いたいことを考えながら聞くか。知的な人の聞く態度として、肯定も否定もしない、評価しない、安易に意見を言わない、沈黙して待つ、好奇心を総動員する、が挙がります。
本体は「アドバイスより交通整理」。人は理屈より感情で動くし、同じ助言でも「だれが言うか」で受け止め方が変わる。出張先の空港で妻から子どもの七五三の貸衣装を相談された例では、価格差や子どもの好みを外し、撮影時間の制約という本当の論点に絞ったら、妻が自分で決められた。手順は、ゴールの確認、相手の考えを先に聞く、意思決定を助ける、の3ステップです。
俺が「正解が早すぎる」で書いたのは、まさにここ。正解の質を上げても、疲れる人は減らない。問題は届く順番です。交通整理は、相手の頭の整理を先に済ませてから答えを置く技術だと思う。
第4章は質問。グーグルの人事トップ、ラズロ・ボックさんが導入した構造化面接が土台で、質問は5種類だけ。導入が2つ(過去の行動、仮定の状況判断)、深掘りが3つ(状況、行動、成果)。年収600万円の社員を10年雇えば最低6,000万円の判断になる、という例えが重い。
もうひとつ効くのが、質問の前に仮説を立てること。「課題は何ですか」と直球で聞くと「特にない」で終わる。「営業面か、それとも商材やマーケティングか」と仮説をぶつけると、外れても「契約の継続率」という本音が出てきた。
教わる技術は4つ。一度にひとつのことしか聞かない。目的を知らせる。要素に分けて具体的に聞く。今までにやったことを細大もらさず伝える。どれも、相手の手間を減らす気遣いです。
第2部5章「○○ではなく△△」で言い切る

第5章は言語化。入口は、できる人はなぜすぐ電話してくる人を嫌うのか、という問いです。堀江貴文さん、成毛眞さん、イーロン・マスクさんが電話を嫌う理由は「コミュニケーションコスト」。とりあえずの電話は、いちばん骨の折れる言語化を受け手に押し付けている。メールなら、整理の負担は送り手が持つ。丸投げの相談は、上司に考えさせているだけ。
唯一の型が「○○ではなく△△である」という再定義。スタバの「サードプレイス」、ドラッカーの「企業の目的は利益ではなく顧客の創造」。中途採用面接で、候補者が「お好み焼きは蒸し料理です」と言った話も出てきます。ソースメーカーのレシピで蓋をして蒸す工程を知り、試したら美味しかったという。著者はそこに知性を感じて採用した。作り方は、良い例と悪い例を対比すること。
習慣は3つで、ネーミングにとことんこだわる、「ヤバい」「エモい」を封印する、読んだ本の要約と所感を書き留めて仕事の学びも型を決めて書き溜める、です。どれも才能じゃなく、あいさつと同じ習慣の話。
おわりにでは、外山滋比古『思考の整理学』の比喩を借りて、7つの黄金法則が根、5つの思考法が幹、知性が花、と位置づけます。頭がよくなるより、あり続けるほうが難しい。22年の結論は、わかった気になったときが一番危ない、だそうです。
最後に著者は、自分自身の私的な後悔を明かして、本当に賢い人とは大切な人を大切にできる人だ、と結ぶ。俺はこの締めがあるから、この本を信用できると思う。テクニックの本で終わらせない覚悟がある。
LESSONS明日から使える教訓
- 腹が立ったら、6秒黙って案を並べろ言い返す以外の手を2〜3個、頭に並べてから口を開く。退職や取引打ち切りのような後戻りしにくい決断を、口論の勢いでしないための最初の一手です。6秒は、いちばん安い保険。
- 相談されたら、答える前に交通整理ゴールを確かめ、相手の考えを先に聞き、矛盾点だけ指摘する。答えを出すのは、その後でいい。正解は、早すぎると届かない。
- 言葉を定義してから、言い切る「管理」「課題」のような言葉はチームで定義してから使い、提案のコンセプトは「○○ではなく△△」で言い切る。クリエイティブ的にいうと、コンセプトは否定する相手と対にしたとき、いちばん輪郭が立つってことです。俺的には、この型がいちばん持ち帰りやすい。
CONCLUSION俺の結論
結論。会議で言い返したくなったら、その6秒で案を三つ並べろ。言い返すのは、四つ目の案でいい。たぶん、四つ目まで行く前に怒りは引いてます。
相談されたら、答えより先に、相手の頭の交通整理を手伝う。報告するなら、相手がいちばん聞きたい結論から。言葉はチームで定義してから使う。どれも才能はいらない。立ち止まる勇気がいるだけです。
頭のいい人は、話がうまい人じゃない。話す前に、相手のことを一回考えられる人だ。それは明日の最初の一言から始められる。
NEWS関連ニュース
この本のテーマについて、最近話題になったニュースです。
「話が上手いだけで信頼を得られない人」ができていないことは…「話が下手でも信頼される人」になる極意
2023年4月19日に初版6000部で発売された本書が、15刷60万部(電子含む)に達したと伝える記事です。著者は約3000社の社長とやり取りしてきた経験から、信頼を得る決め手は話す前にどれだけ考えるかだと語っています。反響として、上司や社長からの反省の声や、家族との会話にも役立つという声が紹介されています。
この本とのつながり:本書の核である、結果は話す前に決まっている、という主張が、実際に広く読まれた本としてどう受け止められたかが分かります。
FOR YOUこんな人におすすめ
- 会議や交渉で、つい感情的に言い返してしまう人
- 報告や相談の仕方を、型から組み直したい人
- 話し方のテクニックより先に、考え方を整えたい人
合わないかもしれない人:すぐ使える決めゼリフ集を探している人。この本が扱うのは、口を開く前の頭の使い方です。
FAQよくある質問
『頭のいい人が話す前に考えていること』は何が書いてある本ですか?
話す前の考え方を、7つの黄金法則(マインド)と5つの思考法(フォーム)にまとめた本です。知識で終わらないよう、穴埋めシートで習慣にできる作りになっています。
「とにかく反応するな」とは具体的にどうすればいいですか?
すぐに口を開かず、怒りのピークとされる約6秒を待ちます。そのうえで、相手の反応を想定した案を複数並べて比べる、というのが本書の提案です。案を考えている間に怒りも収まります。
著者の安達裕哉さんはどんな人ですか?
ティネクト株式会社の代表で、デロイトトーマツコンサルティングの出身です。コンサル12年と自社経営10年で3000社・1万人と向き合ってきたとされ、自身は口下手だったと明かしています。
この本の5つの思考法とは何ですか?
客観視、整理、傾聴、質問、言語化の5つです。それぞれに、裏を取る、事実と意見を分ける、助言より交通整理、構造化面接の質問、「○○ではなく△△」という再定義、といった具体的な型が付いています。
頭がいいとは、この本ではどう定義されていますか?
周囲から頭がいいと認められている人、と定義されています。テストで測れる学校的な知性よりも、他者の考えを読み、信頼を得て人を動かす社会的知性を重く見ています。
話すのが苦手でも効果はありますか?
著者自身が自称「口下手なコンサルタント」で、話術ではなく話す前の考え方を扱う本です。口数より、一拍おいて考える習慣が中心なので、話すのが得意でない人にも使えます。
会議や報告で、すぐ使えるやり方はありますか?
報告は冒頭で用件と重さを伝え、相手がいちばん聞きたい結論から話します。書式に事実欄と所感欄を分ける、「どう思う?」には即答せず相手の考えと理由を先に聞く、といった方法が紹介されています。
質問のコツはどんなものですか?
質問の前に仮説を立て、「聞きやすい人」ではなく「聞くべき人」を選びます。一度にひとつ聞く、目的を知らせる、要素に分けて聞く、これまでにやったことを伝える、が手順です。
この本の批判や注意点はありますか?
すぐ使える言い回し集ではないため、フレーズを求める人には物足りないかもしれません。習慣にするには、シートを実際に書くなど、自分で手を動かす必要があります。
MONOGENIC伊丹谷のブログから
- 正解が早すぎる社会構造助言の中身ではなく、届く順番が人を疲れさせる。本書の「アドバイスより交通整理」と同じ場所を見ている
- ワクワクを失わないように学生の質問に正論で返して後悔した話。相手が自分に何を求めているかを先に考える、につながる
- 貪瞋痴・怒りを払うことで自制すれば自ずと生きやすくなる怒りはなくせないが、早く気づくことはできる。黄金法則その1の「6秒待つ」と同じ話
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