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『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』のイメージイラスト(実際の表紙ではありません)

性格は変えなくていい。変えるべきは、自分を置いている場所だ。

イラストはイメージです(実際の表紙とは異なります)

思考・哲学

スピリチュアルズ 「わたし」の謎(幻冬舎文庫)

橘玲 ・ Kindle版

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ひとことで言うと橘玲さんが、脳科学・進化心理学・行動遺伝学で「わたし」を説明し直す本。「わたし」の大半は無意識の傾向で、外向性や共感力など8つの要素の組み合わせでできている。結論は、自分を変えるより、性格が有利になる場所を探すことです。

INTROどんな本か

書名が『スピリチュアルズ』。正直、手に取るのに一瞬ためらう名前です。

なにせ俺は2021年の「仕事」の回で、引き寄せの法則を実感することが多い、強くうまくいくイメージをすることかな、と話したすぐあとに「スピリチュアルは嫌いだけど」と付け足してる人間なので。笑

でも中身は、いわゆるスピリチュアルの本じゃない。著者の橘玲さんは、脳科学・進化心理学・行動遺伝学による人間理解を「スピリチュアル理論」と名づけている。スピリチュアル=無意識(魂)、という意味です。幻冬舎文庫で、単行本は2021年6月、文庫は2023年7月。解説は妹尾武治さん。

芯はこうです。「わたし」の大部分は無意識の傾向で、意識はそれを制御していない。意識の役割は、後付けの自己正当化に近い。意志の力で自分を作り変える、という常識に、正面から異を唱える。

代わりに出てくるのが、性格の見取り図。ビッグファイブ(外向/内向、楽観/悲観、同調性、堅実性、経験への開放性)に、共感力、外見、知能を足した8つの要素、ビッグエイト。どれも正規分布で、一長一短です。

ちなみにこの本、望む姿を強く思い描くと、脳が達成済みと錯覚して努力が減る、という研究まで紹介してくる。俺のあの一言、イメージするだけじゃ足りなかったらしい。

執筆のきっかけは、2018年のフェイスブック情報流出(ケンブリッジ・アナリティカ)。「いいね!」から性格が高い精度で推定でき、性格別のメッセージで行動まで動かせることが示された。その衝撃で性格診断への考えを改めた、とあとがきにあります。

結論は実用的です。性格の遺伝率は約5割で、そう簡単には変わらない。だから自分を変えるより、自分の性格が有利になる場所、つまりニッチを探して、性格に合った前向きな物語をつくれ、と。

俺はこの結論が、いちばん優しいと思う。もっと外向的になれ、もっと頑張れ、という処方より、よほど現実的です。

ただし、心理学の知見には再現性の問題が指摘されているものも含まれます。著者自身が「再現失敗=効果ゼロではない」と留保をつけて引用しているので、その温度で読むのがちょうどいい。

CHAPTERS章ごとの中身

PART1「わたし」の大半は無意識でできている

入口は、VRの「高所恐怖SHOW」です。床上5cmの板だと知っていても、足が出ない。意識の知識より、無意識の警報が勝つ。ここから、「わたし」の大部分は無意識の傾向だ、という話に入っていきます。

根拠の一つが直観知能の実験。隠れた12パターンの規則があるボタン押しゲームで、心理学教授の被験者は、成績が上がっても規則を自覚できなかった。五感からは毎秒1100万要素超が入ってくるのに、意識が扱えるのは最大40要素程度。残りは無意識が処理している。もう一つがガザニガの分離脳研究で、右脳への指示で笑った患者が、理由を聞かれると左脳がもっともらしい後付けをする。意識の役割は「自己正当化」に近い、と。

温かいコーヒーを持った学生は架空の人物を親切と評価し、冷たいコーヒーでは利己的と評価した、という実験も面白い。脳は皮膚の温かさと人柄の温かさを区別できない。ただし吊り橋実験、パワーポーズ、マシュマロ・テスト、スタンフォード監獄実験などには、再現性や演出への批判がある。著者は留保付きで引用する方針です。

感情の進化の説明は筋が通ってます。資源は有限なので、交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)で消費を最小にする。快/不快、覚醒/鎮静の「感じ」はそのエネルギー管理の道具で、2軸の組み合わせから感情の6原型(高揚・満足・穏やか・動揺・みじめ・無気力)ができる。この感じ方の強弱の個人差が、パーソナリティになる。

そのうえで本書は、ビッグファイブの協調性を「同調性」と「共感力」に分け、外見と知能を足して8因子に広げる。初対面で無意識が見ているのは「生存への脅威か」と「生殖の対象か」だ、という説明が背景です。

自分で決めてるつもりのことの大半が、後から理由をつけてるだけ。そう言われると、ちょっと足元がぐらつきます。

PART2「いいね!」から性格は読まれる

執筆のきっかけになった、2018年のフェイスブック情報流出の話です。コシンスキーの研究では、「いいね!」10個で同僚、70個で友人、150個で親、250個で配偶者並みに性格を当てられる。人種、性別、性的指向、宗教、支持政党も、8〜9割台で推定できたとされます。

ケンブリッジ・アナリティカ(CA)は、ケンブリッジ大のコーガンが提供した類似アプリで、少額の報酬を払って性格検査を受けさせ、最終的に8700万人分を集めた。出資者のマーサーがバノンをトランプ陣営に送り込み、バノンはCAの代表でもあった。2016年のトランプ当選とEU離脱で注目され、元社員のワイリーらが内部告発します。

手法はPSYOP(心理作戦)。「ここまで」の看板より「サメ目撃」の警告のほうが効く、という例えがうまい。大衆を32の性格グループに分け、グループごとに20〜30パターンの広告を出して、ランダム化比較で最適化した。銃規制反対でも、伝統志向の層と自立志向の層で訴求を変えている。神経症傾向の高い人には、恐怖訴求の広告がいちばん効いたとされます。

好きな曲10曲だけで他人が性格を推定できる、という研究も出てきます(開放性で相関0.47、堅実性は推定できない)。初デートで「どんな曲が好き?」と聞くのは、性格の読み取りなんだ、と。追記では、影響は小さかったという批判に対して、資金・データ・人脈の事実から、使われなかったとは考えにくい、と応じています。

SNSに好きなものを書くたびに、性格の名刺を配ってるようなもの。ここは発信する側として、ちょっと背筋が伸びる章です。

PART3外向と内向は、刺激への感度の差

入口は、レモン汁で唾液の量を見る簡易テスト。唾液が多いほど刺激に敏感で内向、少ないほど鈍感で外向です。個体ごとに快適な覚醒水準があって、普段の覚醒が低い個体は強い刺激で上げようとし(外向)、高い個体は刺激を避ける(内向)。エネルギーは有限なので、刺激を追う戦略と省エネの戦略はトレードオフで、環境が不安定だから多様な性格が残った、という説明です。

性格は二択じゃなく正規分布。35人学級なら、約25人が「ふつう」の範囲に収まる。極端な側にいるのは千人に1〜2人です。

効くのが、「外向的なら成功する」はサバイバルバイアスだ、という指摘。モーリシャスの3歳児1795人の20年追跡では、心拍が低く刺激を求める子は、11歳で攻撃性が高かった。低覚醒の外向型はリスク志向で、成功にも犯罪にも転ぶ。陰にいる失敗者を見ずに、宝くじの当せん者だけを見てる構図だ、と。知識労働の時代は内向型が有利で、2021年の米国の世帯年収では、「内向的」とされるアジア系が約10万ドルで白人を3割以上上回る、という数字も挙がります。

人が多く集まる場所が苦手で、異業種交流会にもあまり行かない、と書いてきた身としては、内向は欠点じゃなく感度の差だ、という整理はありがたい。

ドーパミンは快感じゃなく期待の物質で、反応するのは報酬そのものより「予測との差」。ビールは一口目だけ格別、というあれです。喜びは慣れで色あせるから、人は新しい欲望を追い続ける。依存症は報酬系を直撃して、耐性で快は減り渇望だけが残る。ゲームやスロットは、データ分析で依存するように設計されている、と著者は警告します。

内気は神経症傾向の問題で、内向とは別物。「繊細さん」(HSP)の敏感さも、感覚ごとに違う。極端な外向は依存症に、極端な内向は無快感症に近づくので、平均から少しずれるくらいがちょうどいい、という結びです。

PART4楽観と悲観、タンポポとランの話

PART4は楽観/悲観、ビッグファイブでいう神経症傾向です。話は幻覚剤から入ります。2016年のNYUとジョンズ・ホプキンズ大の試験で、がん患者の約8割の不安・抑うつが改善し、半年続いたとされる。背景には、SSRIが偽薬並みになった、うつ治療の手詰まりがあります。

ここで著者の仮説が出る。「うつは自己が強すぎる病」。脳はif-thenのシミュレーション装置で、ヒトは自伝的記憶から過去(後悔)と未来(不安)を組み立てる。カーハート=ハリスは、LSDなどで活動が下がるのがデフォルトモード・ネットワーク(反芻や内省の場)で、その低下と「自我の溶解」の体験が一致することを示した。うつは過去の反芻、不安は未来の悲観のループで、自己が退くと改善する、という見立てです。これは著者の解釈なので、本の主張として読むのが安全です。

脳は基本的に楽観的で、大多数が自分を平均以上だと思っている。楽観は健康に効く一方、望む姿を強く思い描くと、脳が達成済みと錯覚して努力が減る(エッティンゲンの研究)。うつの人のほうが現実を正確に見る「抑うつリアリズム」もあって、約85%は楽観のメガネで世界を見ている、と。

外向/内向と楽観/悲観は独立していて、4つのタイプができます。舞台で極度に緊張する芸能人は、外向的で悲観的、という型です。

締めは、救いのある話です。セロトニン運搬遺伝子は、L型が楽観、S型がうつ・不安になりやすい。日本人は世界でもとくにS型が多い。でもE・フォックスの実験では、S型はポジティブな刺激にも素早く反応した。S型は脆弱なんじゃなく、環境に敏感な「可塑的」な遺伝子だ、と。たくましいけど花の小さいタンポポ(L型)と、環境しだいで大輪を咲かせるラン(S型)。

弱さに見えていたものが、置かれた環境によっては武器になる。この比喩は、敏感な人にこそ届いてほしいと思う。なお、ここは治療の手引きではありません。不調があるときは専門家に相談してください。

PART5同調は、性格より環境が決める

まず、日本語の「協調性」は同調性と共感力を混ぜてしまっている、という指摘から。同調的だけど共感の薄い会社員もいれば、同調しないけど共感力の高いフリーランスもいる。同調性は、集団圧力への反応の差です。

アッシュの実験(1955年)では、単独なら99%正答する線比べで、サクラ6人が揃って誤答すると、約75%が少なくとも1回同調した。2005年のfMRI実験では、働いていたのは視空間認知の部位で、圧力で見え方そのものが変わった可能性が示される。ミルグラム実験(1963)は、15〜450Vの30段階(実際は通電なし)で、初回は40人中25人が最大まで進んだ。共感力の高い主婦も450Vを繰り返していて、共感は権威への抵抗力にならない、と著者は読みます。

同調の根っこにあるのは「場違い」の恐怖です。共同体から外れれば死んだ旧石器時代から、脳はずっとそれを監視している。ウィリアムズのサイバーボールでは、数分ボールを回されないだけで誰でも落ち込み、身体の痛みと同じ脳の部位が反応した。

日本人は集団主義か、という問いには、山岸俊男のペン選びの実験が使われます。日本人は多数派の色、米国人は少数派の色を取るけど、人目の条件を変えると差が消える。国民性じゃなく「デフォルト戦略」の違いだ、と。出入り自由で失敗をやり直せる「バザール」では目立つ挑戦が報われ、閉鎖的で悪評が消えない「伽藍」では、目立たず失点を減らすのが最適になる。

俺が2026年に「人間消耗の三重構造」で書いた、人が消耗するのは本人の弱さじゃなく構造の問題だ、という話と同じ向きの結論です。同調する人が弱いんじゃない。場の設計が、そうさせている。

PART6共感は、公正を壊すスポットライト

PART6の共感力では、相手の気持ちを感じる「共感」と、相手の心を理解する「メンタライジング」を別物として扱い、4つの象限に分けます。アカゲザルの実験では、仲間に電撃が流れる鎖を、15匹中12匹が避けた。共感は仲間内には強く働き、外には働きにくい。

サイコパスについては、犯罪的なものは人口の1%未満だけど、共感が低いこと自体は「ごく普通の男の性格」だ、という著者の主張が出てきます。重い決断を迫られるリーダーには、むしろ低い共感が向く、とも。

強烈なのはブルームの実験です。病気の少女に共感させると、順番待ちへの割り込みを認める人が増えた。共感は道徳の土台じゃなく、特定の相手だけを照らすスポットライトで、目の前の一人のために全体の公正を壊す、と。オキシトシンを吸入すると、自国人を救う傾向が強まった、という実験もあって、愛は外への憎しみより、内集団びいきを強めるのだそうです。

共感力は高いほどいい、と思っていた人ほど、ここは引っかかるはず。判断は客観的な基準で、共感は寄り添う場面で。役割を分けて使え、という読み方が実務には効くと思う。

PART7意志力は消耗する、だから仕組みに頼る

PART7は堅実性、つまり自己コントロール力です。大王製紙の井川意高氏が、子会社から約106.8億円を借りてカジノで失い、2011年に逮捕された例から入る。20億円勝っていても、止められなかった。

アイオワ・ギャンブリング課題では、多くの人は意識する前に、発汗で損な山に気づく。前頭前野に損傷がある人や依存症の人は気づけず、これは知能とは無関係。依存症の原因は快感の強さじゃなく、ブレーキの弱さだ、という整理です。

時間割引率で測れる、というのが分かりやすい。1年後の1万円を今の5000円と見なせば100%、9000円なら約11%。割引率が低いほど堅実です。貧しい家庭で育った人は、不安を示されると割引率が跳ね上がる。先が読めない環境では今を取るのが合理的で、堅実性は環境に合わせた戦略なのだ、と。

バウマイスターの実験では、クッキーを我慢した学生は、難問を早く投げ出した。意志力は筋肉みたいに消耗する。我慢するほどリバウンドやドカ食いを招き、効くのは習慣(帰宅したらすぐ歯磨き)、記録、きつめの服、そして「後で食べてよい」という猶予。

ADHDは男子が5倍で、狩猟の時代には強みだったかもしれない、とされます。米国では成績下位の7割が男子です。

気合いで勝てないなら、仕組みで勝つ。この章は、自分を責めがちな人の肩の荷を、だいぶ下ろしてくれます。

PART8〜9自分を変えるより、ニッチを探せ

PART8の開放性は、意識を映すモニタの解像度の個人差、と定義されます。政治の話では、世界は公正であるべきだと強く信じる人ほど、救われない被害者を見ると「被害者にも非があった」と考えを変える。バークレーの追跡研究では、幼い頃に自信と好奇心が強かった子はリベラルに、不安が強かった子は保守になった。

PART9は遺伝と環境のまとめです。双子研究では、性格の遺伝率は約5割、知能は思春期以降に約7割。家庭環境の影響はほぼゼロで、残りは家庭の外、つまり友だち集団で決まる、というハリスの集団社会化論が紹介されます。1990年代の米国の転居実験では、貧困の少ない地域へ移った13歳以下の子が、20代で収入が約3分の1増えた。差を生んだのは、近所の友だち関係だった、と。

自尊心の話は強烈です。バウマイスターが約1万5000件の研究を検証したら、自尊心を高めても成績やキャリアは上がらなかった。励ましのメールを送った学生は、むしろ成績が下がった。自尊心は成功の原因じゃなく結果で、集団からの評価を知らせる警報装置だ(ソシオメーター説)、と。

俺は2020年に「承認欲求の奴隷になるな」で、自己肯定感は高めようとすればするほど低くなる、と書いた。この本はさらに踏み込んで、自尊心は結果であって原因じゃない、と言い切る。順序は逆なんです。

結論は一貫しています。どの性格も進化の適応で、特定の環境で有利になる。知識社会で成功しやすいのは「高い知能、高い堅実性、情緒の安定」。でも性格は変えにくく、意志力で無理に抑えると健康を損ねる。だから、自分の性格が有利になる場所(ニッチ)を探し、性格に合った前向きな物語をつくれ。内向型が営業で無理をするより、転職を考えろ、という例です。

LESSONS明日から使える教訓

  1. 外向性を、成功の物差しにしない「外向的なら成功する」は生存者バイアス。専門職や相手の表情を読む仕事では、内向型が強い。人を変えるより、置き場所を変えるほうが早いってことです。
  2. 我慢より、習慣と記録で行動を設計する意志力は消耗するので、禁止より「後で食べてよい」という猶予のほうが続く。習慣と記録で、行動のほうを組み替える。ものづくり的にいうと、気合いは仕様に入れない、ってことです。
  3. 同調圧力は、個人の弱さじゃなく環境の産物異論を出させたいなら、発言順や匿名の意見集めで、失敗をやり直せる場にする。少数派や新参者を孤立させない。俺は、会議の設計にいちばん効く教訓だと思う。

CONCLUSION俺の結論

結論。性格を直そうとするのは、いったんやめていい。約半分は遺伝で、意志力は消耗する。そこと正面から戦っても、だいたい負ける。

代わりに、自分の8つの要素をざっくり眺めて、その組み合わせが有利になる場所はどこかを考える。内向型なら刺激の少ない持ち場、敏感な人なら環境のいい場所。変えるのは自分じゃなく、持ち場のほうです。

それと、目標は強くイメージするだけで終わらせない。障害を先に書き出して、計画に落とす。スピリチュアルは嫌いな俺でも、この話なら素直に聞けます。

NEWS関連ニュース

この本のテーマについて、最近話題になったニュースです。

ブリストル大学(英国)プレスリリース ・

Global study reveals the complex role genetics play in influencing our personalities

英科学誌ネイチャーに掲載された国際研究で、46の研究を合わせた100万人超のデータから、ビッグファイブの性格特性に関連する1,200以上の遺伝子変異が特定されました。一つひとつの影響はごく小さく、性格は多数の遺伝子が少しずつ影響する多遺伝子性だと説明されています。一方で、研究者は個人のDNAから性格を読み取ることはできず、採用や教育、保険、医療での評価に使うべきではないと注意しています。

この本とのつながり:本書は性格の遺伝率を約5割とし、ビッグファイブをもとに性格を説明します。最新の大規模研究は、性格に遺伝の影響が広く見られることを示す一方、遺伝子だけで個人は決まらないことも強調しています。

FOR YOUこんな人におすすめ

合わないかもしれない人:占いや、いわゆるスピリチュアルの本を探している人。書名に反して、中身は科学の知見の紹介です。

FAQよくある質問

『スピリチュアルズ』はスピリチュアルの本ですか?

いいえ。脳科学・進化心理学・行動遺伝学の知見を、著者が「スピリチュアル理論」と名づけて紹介する本です。スピリチュアルは、無意識(魂)の意味で使われています。

ビッグエイトとは何ですか?

標準のビッグファイブ(外向/内向、楽観/悲観、同調性、堅実性、経験への開放性)に、共感力、外見、知能を加えた8つの要素です。どれも正規分布で、一長一短とされています。

性格は遺伝で決まるのですか?

本書では、性格の遺伝率は約5割で、残りは家庭より友だち集団で決まる、とされています。個人の性格が遺伝子だけで決まる、という意味ではありません。

「外向的なら成功する」は本当ですか?

本書は、生存者バイアスだと述べています。知識労働では内向型が有利な場面が増え、専門職や相手の表情を読む仕事では内向型が強いとされます。

同調圧力に逆らえるのはどんな人ですか?

アッシュの同調実験やミルグラム実験では、強い圧力の下でほぼ全員が従い、逆らえたのはごく一部でした。共感力が高くても、権威への抵抗力にはならないとされています。

共感力が高いのは良いことだけですか?

本書は、共感は道徳の土台ではなく、特定の相手だけを照らすスポットライトだとしています。目の前の一人のために公正を壊し、内集団びいきを強める面がある、という指摘です。

意志力で自分を変えるのは難しいのですか?

堅実性は目先の報酬へのブレーキで、意志力は消耗します。我慢で押さえ込むとリバウンドするので、習慣・記録・猶予で行動を設計するほうがよい、と本書は説いています。

「うつは自己が強すぎる病」とはどういう意味ですか?

幻覚剤によるうつの治療研究から、著者が立てた仮説です。自己を司るとされるDMNの抑制に着目したもので、著者の推測として紹介されています。不調があるときは専門家に相談してください。

結局、性格とどう付き合えばいいのですか?

本書の結論は、自分を変えるより、自分の性格が有利になる場所(ニッチ)を探し、自分の性格に合った前向きな物語をつくることです。

この本は誰におすすめですか?

自分の性格を変えようとして疲れた人、採用や育成で人の見方を整理し直したい人、橘玲さんの前作が好きな人に向いています。占いやスピリチュアルの本を探している人には向きません。

MONOGENIC伊丹谷のブログから

ご注意:心理学の知見には、再現性の問題が指摘されているものも含まれます。著者も留保をつけて引用しています。うつに関する仮説など、著者の推測は本の主張として読み、不調があるときは専門家に相談してください。

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