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『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』のイメージイラスト(実際の表紙ではありません)

書く仕事を決めるのは、名文じゃない。ツボと締め切りと企画書だ。

イラストはイメージです(実際の表紙とは異なります)

ビジネス・仕事術

文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい

わかつきひかる ・ Kindle版

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ひとことで言うと成人向け小説で20年食べてきた、わかつきひかるさんによる書く仕事の実務書です。新人が入りやすいジャンルでのデビュー、印税の計算式、企画書、投稿、契約書、営業までを数字つきで示します。文章力より、読者のツボと相手の事情を知ることが仕事を決める、という一冊。

INTROどんな本か

さてさて、まず書名で一回ひるみますよね。でも、ここで棚に戻すのはもったいない。

これは、成人向け小説の書き手として20年食べてきた、わかつきひかるさんの本です。主役は作品の描写じゃない。書く仕事にどう入って、どうお金にして、どう続けるか。入口、印税、企画書、投稿、契約、営業。中身はほぼ全部、仕事の実務です。

著者は奈良のカルチャーセンターで小説教室の講師もしていて、時代小説やライトノベルも書く。それでも収入の半分は、フランス書院の印税だという。雷鳥社から2017年に出た一冊です。

芯は、入口の話。官能、乙女系、ジュブナイルポルノといったジャンルは、常に原稿を募集していて、持ち込みもできて、新人が入りやすい。しかも採否を決めるのは文章のうまさより、ジャンルごとの「ツボ」と熱量だと言い切る。体験より妄想力、文章力より熱量。

で、お金の話がとにかく具体的です。告白手記の原稿料は1枚約1,000円。文庫の印税は初版部数×印税率×定価で、1万部×8%×700円なら56万円。書く仕事の本で、ここまで計算式を開けて見せるものは、そう多くないと思う。

受託の仕事は、だいたい納品で終わる。この本の前半は、1枚いくらの仕事から、売れるほど増える仕事へ移っていく道筋の話です。文章に限らない。受託で食べている人みんなに関わる、構造の話だ。

俺は2022年のブログで、自分の働くモチベーションを『できる限り楽しいことをしたい』、そして『楽しいこととは、成果が伴わないといけない』と整理した。この本も同じ場所に立ってる。好きなものを書け、嫌々書けば読者に見抜かれる。でも編集者がいちばん困るのは、売れない作家だ、と。

効くのは、書く仕事をしたいけど入口が分からない人。副業でライティングをしていて、単価の天井に当たっている人。それから、小説を書かない人にも。企画書、契約書、営業電話の章は、フリーランスならそのまま使えます。

文章を仕事にするのは、才能の話じゃない。入口と、お金の流れと、相手の事情を知っているかどうかの話だ。この本は、それを20年分の数字で見せてくれる。

CHAPTERS章ごとの中身

はじめに・第1章1枚千円の副業から作家になるまで

「1枚千円の副業から作家になるまで」のイメージイラスト

はじめにで、著者はまず小説教室の現実を書きます。成人向け小説を書きたいという受講生の原稿は、ほぼ全員、性描写はあっても商品になっていない。新人賞は文章のうまさではなくツボで決まるから、そこさえ押さえればデビューは易しい、と。道具はパソコンとネットと電話だけ。年齢も経験も、育児や介護の最中かどうかも問わず、低単価のクラウドソーシングより稼げて、一般小説にも移れる、というのが著者の売り文句です。

著者自身の入り方が、そのまま見本になっています。約20年前、長編を書き切れずにいた時期に、ポルノ誌の短編募集に応募した。そこから編集プロダクション(出版社の編集を請け負う会社)に告白手記を頼まれる。指定はヒロイン像と状況、枚数(例えば8枚)、締め切り(1週間)だけ。1枚約1,000円、月3万円ほどの副業でした。

ここからの動きがいい。見本誌を読み込み、質問を重ねて自分で研究し、1年で短編に昇格。成人向けゲームのシナリオ募集には掲載誌を添えて応募し、外注に採用されてノベライズへ。短編がアンソロジー文庫に入ったとき、原稿料とは別に印税が入って、納品で終わる仕事と、売れるほど増える作家の違いを知ったそうです。著者は美少女文庫で最も多く刊行している女性作家で、自称「ジュブナイルポルノの女王」。作品が『世にも奇妙な物語』の原作に採用されたこともある。

受注仕事でも、手本を研究して質問を重ねる人は、上の仕事に呼ばれる。デザインでも映像でも、受託の世界なら同じです。

名義と職場の話も実務的です。昔はレーベルごとに筆名を変えるのが普通だったが、今はネットで自分をPRする時代で、名義を変えれば実績がリセットされて損だ、と。版元は大手系で、フランス書院は三笠書房の社内カンパニー、マドンナメイトは二見書房、シフォン文庫は集英社。昔は理不尽な要求をする編集者もいたが、相手の社内的なリスクをほのめかす切り返しでかわしてきた。フリーランサーやハンドメイド作家、行政書士などと収入や初期投資を比べた表では、全項目でポルノ作家が有利という判定。いや、言い切るなあ。笑

第1章印税は「部数×率×定価」で試算できる

「印税は「部数×率×定価」で試算できる」のイメージイラスト

この章は、お金の仕組みを正面から開けて見せます。固定読者がいるので大コケはしないが、市場が小さく天井は低い。先にそれを言うのが誠実です。

原稿料は、告白手記で1枚約1,000円、スポーツ紙や週刊誌の連載で約8,000〜1万円。文庫の印税は、初版部数×印税率×定価。率は昔は10%、今は8%のこともある。1万部×8%×700円なら56万円で、約3,000部の重版のたびに上乗せされる。

電子は、ダウンロード数×15〜20%×定価(電子の定価は紙より2割ほど安い)。時代小説なら初版1万部に対して電子は約100ダウンロード、ライトノベルで約1,000。ところが成人向けは店頭で買いにくいぶん、電子が強い。著者はフランス書院の電子印税だけで年約100万円あるそうです。

派生の相場もある。アニメの原作料が約20万円、ゲーム化で50〜100万円、コミカライズは漫画家と6対4。連載350枚が文庫になり、重版3回、電子、映像化の原作料まで乗った大成功モデルで、合計約513万円。それでも10万部で上出来の世界なので、もっと伸ばしたい作家はやがて一般の小説へ移っていく。

その移り方が、また営業なんです。ライトノベルも時代小説も、待っていて来た仕事じゃない。発売中の本を買い集め、巻末の編集部に電話して企画書を出す。3社に断られ、4社目のHJ文庫で即採用、2か月で4刷。無名の持ち込みは読まれないが、一つのレーベルで何十冊も出した実績は、筆力と販売力の証明になる。

納品で終わる仕事で腕を磨き、売れるほど増える仕事へ移る道を自分で設計する。俺はこの区別が、この本でいちばん持ち帰る価値のある考え方だと思う。

第2・3章入口は読者で選び、締め切りを守る

「入口は読者で選び、締め切りを守る」のイメージイラスト

第2章は仕事先の地図です。官能の専門レーベルは40〜60代の会社員、ジュブナイルポルノは20〜30代の男性、急伸中の乙女系は30〜60代の主婦が読者。ほかに告白手記(1本8〜20枚)、ゲームシナリオ(新人で1KB、約500字あたり約1,000円)、一般書籍の官能新人賞、高単価の連載が並び、媒体ごとに入りやすさ・必要な筆力・報酬・仕事量が表になっている。入りやすい仕事ほど安い。この一文に、業界の構造がほぼ全部入ってます。

第3章はツボの話。投稿作の9割はツボを外していて、うまくても落ちる。まず読者を知れ、です。乙女系の読者が10代でも20代のOLでもなく30〜60代の主婦だと言える根拠は、書店のレジのPOSやポイントカードの情報が、日販やトーハンなどの取次に集まっていること。年齢を読み違えると、全部が的外れになる。

その読者が求めるものを、著者は「キラキラ」と呼びます。贅沢も諦めも知っていて、育児とパートに疲れた世代が、宝塚の男役のようなヒーローに大事にされる夢を読みたい。プロとアマを分けるのは、読者を楽しませたいかどうか。文章は平易に、具体的に、名前を書いて、五感に訴える。流行は景気で入れ替わるが、読者を見下して書けば見抜かれ、復讐心で書けば読者が引く。

いちばん身につまされるのが、締め切りの話。約20年前、著者は自分が通っていた教室の講師に頼まれて、入金の確かな編プロの仕事を受講生に紹介した。その人は無償の添削を何度も求め、親族の葬儀で1日遅れ、次も1日遅れて、以後発注はなし。雑誌の締め切りは絶対で、遅れれば編集者が徹夜する。分からなければ聞く、不幸は早めに知らせる、挽回策は自分から申し出る。手記は下手でもいいが、締め切りだけは守れ。

好きに書く前に、誰が買っているかを見る。うまく書く前に、約束を守る。外注の仕事が続くかどうかは、出来より先にこの二つで決まる。厳しいけど、ほんまにそう。

第4章企画書は、出版社にとっての見積書

「企画書は、出版社にとっての見積書」のイメージイラスト

第4章は長編の作り方。出発点は自分の好みで、書きたい人物や状況が決まれば、向くレーベルも決まる。売れ線でも生理的に嫌なものは書かない。著者は苦手なハーレムものが売れず、好きで書いた一人ヒロインものが美少女文庫で最も増刷した部類に入った、と。

ペンネームは、家庭の自分と書き手の自分を切り離すためにつける。著者の筆名は担当がつけたもので、50音順で後ろのほうに来て目立ち、ひらがなで誤読されず、検索で出る。表紙で買われるジャンルだから、タイトルと筆名と表紙絵で売上が変わる。ちなみに商業作品のタイトルは100%編集部が決める。変更を著作権侵害だと怒った作家もいたが、題に著作権はない。ばっさりです。

あらすじは、題に「誰が・誰を・どうして・どうなった」を足して作り、起承転結に当てる。人物も読者から逆算する。構成はプロローグ+6章+エピローグで、1章は400字詰め約50枚。1章に一つ見せ場を置くのが約束です。

そして企画書。編集者へのプレゼン資料、つまりプロットです。文庫1冊でも、表紙、イラスト、校正、紙、印刷、運送、取次と書店の取り分などで数百万円かかる。出版社にとって本は投資で、企画書はその見積書。作家にとっては設計図であり、航海図だ、と。項目はタイトル、筆名、4行程度のあらすじ、登場人物、章ごとのあらすじで、A4で2〜4枚。最重要は題とあらすじ。エレベーターで偉い人に1分で説明して出資させよ、というセミナーの話も引いてあって、シナリオ教室で習った箱書きのシートまで付いている。

俺は2021年の連載で、納品するのがロゴだとしても、なぜそれを発注するのかから取り組まないといけない、と書いた。企画書を相手の投資の見積書と言い切るこの章は、まさにそこを見てる。書き手の夢を語る紙じゃない。お金を出す側が判断するための紙だ。

第4章写経と推敲で、読みやすく具体的に

「写経と推敲で、読みやすく具体的に」のイメージイラスト

書き方の指示は、おしゃれさより読みやすさ。「文字を読んでいた」では、誰がどこで何をしているか分からない。人物の名前と、読んでいる本や媒体まで書けば、性格と状況が一緒に伝わる。丸の内のOLと、農家の元文学青年を対比させた例が分かりやすい。

筆が止まったら写経。クセのない作家の小説を、パソコンで一字一句写す。1日3時間を1週間やれば格段にうまくなる。初心者向けには、短い『コンビニ人間』(村田沙耶香)。俺は2020年のブログで『息するように文章を書けるようになりたい』と書いたけど、この写経は、そこへ近づく筋トレとしてかなり理にかなってると思う。

話が企画書どおりに進まなくなったら、キャラが立ってきた良い兆候。直すのは小説じゃなく、企画書のほう。地味だけど効く考え方です。

推敲は、一晩置いてから縦書きで印刷し、紙で読む。点検は4つ。原稿用紙の約束(守れないと、締め切りも守れない人だと見られる)。同じ語の使いすぎ。方言や場違いな語(著者自身も京言葉を校正で指摘された)。そして冒頭のテンポ。初心者は目覚ましで起きる場面やポエム、歴史の説明から始めがちなので、1枚目から見せ場のつもりで書け、と。

第5章投稿は「締切のない新人賞」から

「投稿は「締切のない新人賞」から」のイメージイラスト

王道は新人賞で、常設はフランス書院文庫新人賞くらい。応募作の9割は商品になっていないので、受賞は難しくないと著者は言う。本人も2001年のフランス書院ナポレオン大賞のほか、第6回幻冬舎アウトロー大賞特別賞、宝島社の日本官能小説大賞を受けている。

面白いのは、このジャンルの多くのレーベルが常に原稿を募集していること。著者はこれを「締切のない新人賞」と呼ぶ。手の空いた編集者が読み、出したい作品にだけ電話が来て、不採用の通知はない。募集していない社でも、電話すれば受けてくれることがある。一般文芸では持ち込みはほぼ無理だが、ここでは冒頭と見せ場を数分見れば選べるから可能なんだ、と。

体裁は、規定がなければ縦書き、A4、40字×40行。あらすじは結末まで書く(煽り文句で濁すと減点)。下読みがおらず編集者が直接読むので、宛名の書き方から、一緒に働ける人かどうかまで見られている。結果の目安は半年で、著作権は作者にあるから落選作を他社に出してもいい。著者自身、別のレーベルで採用と言われながら「女性の甘い恋愛ものは売れない」と2年保留にされ、そのレーベルは廃刊。同じ作品で、フランス書院の大賞を取ってデビューしている。

お金の管理まで書いてある。印税は約1割が源泉徴収され、初年度は確定申告で還付されることが多い。資料や取材、交通、郵送は経費で、家賃や通信費は按分。領収書は缶に貯めて、デビューできなければ年末に捨てればいい。この軽さ、好きです。

第6・7章改稿は話し合い、契約書は必ず読む

「改稿は話し合い、契約書は必ず読む」のイメージイラスト

編集者から連絡が来ても、そのまま出版されることはまずない。手直しか新作かの二択で、初めての本は2〜3回の改稿で3か月〜半年。名刺は手書きで十分。校正の指摘は、意図があれば「ママ」で残せて、最終決定は作者。不本意な指示には黙って従わず、話し合う。苦手に挑むのも、得意分野で売上を約束して断るのもいい。編集者は会社の利益で動く会社員で、察してはくれない。そらそうや。

本が出たら、見本誌は配らずに、他社へ営業するときの名刺代わりに取っておく。契約書は出版後に届く(ボツもありうるし、初版部数は印刷直前に決まるから)。確認するのは初版部数、印税率、支払日、電子版の締め日と最低支払額。著者は、東京地裁を管轄とする条項の削除と、作家が全責任を負う条項を双方協議に変えることを頼むそうです。印税140万円以下なら地元の簡易裁判所で争えるのに、管轄が東京だと未払いでも泣き寝入りになる。未払いは、意外に多いらしい。

売上も自分で確かめる。出版社は発売後10日のPOSで消化率を見て、重版を判断する。同じ月の同じレーベルで中位以上なら、次の依頼はほぼ確実。入金日には記帳して、誤振込に気づいたら早めに知らせる。宣伝はネットで、自作自演のレビューやステマは厳禁。書店営業は出版社の営業担当の許可を得てから。

作家は、書く人である前に個人事業主だ。契約と数字を人任せにした時点で、交渉の材料を手放している。俺はこの2章を、作家志望より、独立したてのフリーランスに読ませたい。

第8章・付録3冊目の壁と、編集者が見ているもの

「3冊目の壁と、編集者が見ているもの」のイメージイラスト

1冊出ると、2週間ほどで次の企画書を頼まれる。このジャンルは1冊目が不振でも3冊くらいは出るが、壁は3冊目。編集者は打ち切りを口にせず、返事が遅くなって途絶える。他社で売れたときのために、関係を残しておくためだ、と。

そうなったら、自分の本2冊を携えて、他のレーベルや一段下の媒体へ営業する。プロが原稿を持ち込むとボツの使い回しだと思われるので、出すのは企画書。売れ筋を買って研究し、方向の違う企画を2本。電話は奥付の直通番号へ、発売日の午後2〜3時に。発売10日前は校了で忙しく、午前はまだ出社前だから。返事は5通りで、いちばん脈があるのは「来社してください」。

相手の締め日と出社時間まで読んで電話する。営業の上手い下手は、話術より先に、相手の事情をどこまで知っているかで決まる。

付録は、フランス書院文庫、美少女文庫、ティアラ・オパール文庫の編集者へのインタビュー。困る作家の筆頭は「売れない作家」。売れる新人は、学歴ではなくコミュ力という意味での地頭がよく、読書量が多く、雑談が面白い。編集者1人が作家を20〜40人担当していて、忙しいのは連休前と月またぎ。志望者への助言は、レーベルの本を数か月分読んで、自分が戦えるか見極めること。

おわりにで著者は、売れる業種は移り変わるが、このジャンルは人間の根っこにある欲求を描くので景気に左右されにくい、と書く。20年食べてこられたことを根拠に、書ければ食いっぱぐれない、と結んでいる。

LESSONS明日から使える教訓

  1. 企画書は、相手の投資の見積書として書け題と短いあらすじで、1分で伝わるか。お金を出す側が判断に使う項目が、ちゃんと並んでいるか。事業づくり的にいうと、提案書も企画書も、こっちの夢じゃなく相手の判断材料だってことです。
  2. 納品で終わる仕事から、積み上がる仕事へ移れ1枚いくらの受注で腕を磨きつつ、売れるほど増える収入へ移る道を設計する。実績は名刺代わりに手元に残し、別ジャンルへの営業材料にする。俺的には、ここがこの本の背骨です。
  3. 返事が遅くなったら、次の取引先を開け編集者は打ち切りを言わず、返事が遅くなって途絶える。契約書は管轄と責任の条項まで読み、入金は記帳で確かめる。察してもらうのを待たないのが、個人事業主の基本です。

CONCLUSION俺の結論

結論。書く仕事は、才能を待つものじゃない。入口を選んで、数字を見て、自分で売りに行くものだ。

明日やることは三つでいい。書きたいジャンルの本を数か月分読んで、誰が買っているかを確かめる。題と短いあらすじで、1分で説明できる企画書を一枚作る。そして、締め切りを一回も破らない。

好きなものを書いていい。ただし、売れることから逃げない。楽しいことに、成果をちゃんと連れてくる。この本は、20年分の数字で、その両立の仕方を教えてくれる一冊です。

NEWS関連ニュース

この本のテーマについて、最近話題になったニュースです。

秋田魁新報電子版 ・

公取委、KADOKAWAに勧告 フリーランス法違反

公正取引委員会は2026年6月11日、出版大手のKADOKAWAがフリーランス法に違反したと認定し、再発防止を求めて勧告しました。2024年12月〜2025年8月に月刊誌などの製作業務を委託したライターら113人に、報酬額などの取引条件を示さず、期日までに報酬を支払わなかったとされます。出版社のヘリテージも、雑誌編集に関わるカメラマンら82人への取引条件の明示を怠るなどしたとして、違反を認定されました。

この本とのつながり:本書は、契約書が出版後に届くことや未払いが意外に多いことを挙げ、印税率・支払日・管轄の条項を自分で確かめるよう勧めている。書く仕事の取引条件をめぐる、いまの動きとして直結する。

インプレスホールディングス(PR TIMES、調査はインプレス総合研究所) ・

電子書籍市場は前年度比2.1%増の6846億円『電子書籍ビジネス調査報告書2026』7月28日発売 新たにデジタルパブリッシング・コンテンツ市場規模を算出

インプレス総合研究所の調査で、2025年度の国内の電子書籍市場は6846億円となり、前年度より2.1%増えました。コミックが6010億円で約87.8%を占め、文芸・実用書・写真集などの文字ものは615億円(10億円増)、雑誌は221億円でした。市場は急成長期から、年数%ずつ伸びる成熟期に移ったとしています。

この本とのつながり:本書は、店頭で買いにくい成人向け小説は電子が強く、著者は電子印税だけで年約100万円を得ていると書く。文字ものの電子市場の規模と伸び方は、電子印税の見込みを考える手がかりになる。

FOR YOUこんな人におすすめ

合わないかもしれない人:文章の美しさや文学的な技巧を磨きたい人。成人向け小説というジャンルの話題そのものに抵抗がある人にも向きません。

FAQよくある質問

『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』はどんな本ですか?

成人向け小説の書き手として20年食べてきた、わかつきひかるさんによる、書く仕事の実務書です。新人が入りやすいジャンルでのデビューから、印税の仕組み、企画書、投稿、契約、営業までを具体的に解説しています(雷鳥社、2017年)。

なぜ成人向け小説から始めることを勧めているのですか?

常に原稿を募集しているレーベルが多く、持ち込みもでき、新人の入口が広いからです。採否を決めるのは文章の巧拙よりジャンルの「ツボ」と熱量で、レーベルで積んだ実績は別ジャンルへの営業材料にもなる、と著者は述べています。

本の印税はどうやって計算しますか?

紙の文庫は、初版部数×印税率×定価です。本書の例では、1万部×8%×700円で56万円になります。電子は、ダウンロード数×15〜20%×定価で計算すると説明されています。

原稿料の相場はどのくらいですか?

本書では、告白手記が1枚約1,000円、スポーツ紙や週刊誌の連載が約8,000〜1万円、新人のゲームシナリオが1KB(約500字)約1,000円とされています。いずれも2017年刊行時点の記述です。

企画書には何を書けばいいですか?

タイトル、筆名、4行程度のあらすじ、登場人物、章ごとのあらすじで、A4で2〜4枚が目安です。最も重要なのは題とあらすじで、企画書は出版社にとっての投資の見積書だと説明されています。

「締切のない新人賞」とは何ですか?

官能・乙女系・ジュブナイルポルノの多くのレーベルが常時行っている原稿募集を、著者がこう呼んでいます。手の空いた編集者が読み、出したい作品にだけ連絡が来て、不採用の通知はありません。

投稿した原稿の結果はいつ分かりますか?

目安は半年で、採用なら連絡は早いとされています。著作権は作者にあるので、落選作を他社に投稿することもできます。

出版契約では何を確認すればいいですか?

初版部数・印税率・支払日、電子版の締め日と最低支払額を確認します。著者は、東京地裁を管轄とする条項の削除と、作家に全責任を負わせる条項を双方協議に変えることを頼んでいるそうです。

「3冊目の壁」とは何ですか?

1冊目が不振でも3冊程度は出るものの、3冊目のあたりで編集者の返事が遅くなり、依頼が途絶えることを指します。その場合は、自著を携え、企画書を用意して他のレーベルへ営業するよう勧めています。

小説を書かない人にも役立ちますか?

はい。企画書を相手の投資の見積書として書く考え方、締め切りと早めの報告、契約書の確認、相手の繁忙期を外した営業などは、フリーランスや受託の仕事全般に応用できます。

MONOGENIC伊丹谷のブログから

ご注意:成人向け小説のジャンルを扱う本ですが、中身は性表現の本ではなく、書く仕事の入り方・稼ぎ方・契約・営業についての本です。原稿料や印税率、各レーベルの募集状況などは2017年刊行時点の記述で、税金や契約の扱いは個別の事情で変わるため、実際には最新の募集要項や専門家に確認してください。

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